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1999/06

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Love and Grace 愛と恵み 

神を愛すると言いながら兄弟を憎んでいるなら、その人は偽り者です。…..         

ヨハネの手紙 第1  4:20

天には星、地には花、人には愛が不可欠である。
と、言ったのは有名な哲学者ゲーテである。
人は空気を呼吸せずには生きてゆけないように、愛なしでは生きてゆく事が出来ない。心理学者達が人にとって最も必要なのは、愛する事、愛される事であると述べている言葉がその事を裏付けてもいる。しかし、人を愛する事によって、起こってしまう事件も世の中には多い。こんなに愛したのに…….こんなにしてあげたのに……何処かで人間と言うものは愛という行動に対して、同じような、またそれに近いかそれに勝る見かえりを求めてしまうようである。ベストセラー、バイブルには、自分にして欲しい事を人にしてあげなさい……とあるが、人は裁かれるより赦されたい。けなされるより、励まされたい。捨てられるより、大切にされたい。傷つけられるより、包まれたい。批判されるより、誉められたいのである。  しかし、そのような願望とは裏腹に、現実は自分にして欲しいと願っている事の正反対を人々にしてしまう事がある。 そして自ら蒔いたその種を刈り取ってゆく。自分は被害者だと思いこんでいる者が、実は加害者にもなっている。「私には自分のしている事が分かりません……私は自分がしたいと思うことをしているのではなく、自分が憎む事を行っているからです、……私は本当にみじめな人間です。」と、聖書の中には神の愛を受けていると信じきっていた者が、まさにその理想と現実の狭間で悩み、苦しむ姿を記録している。自らが正しいと思って、実践していた愛が憎しみに変わってしまうとき、自分が蒔いた種の結んでいる実を見せられる。キリスト教を行っている人々の中には、世の中以上に愛が憎しみに変わってしまっている事があり過ぎる。キリスト教が伝えている愛と、キリストが現した愛には大きな差がある。社会や教会、又その中にいる人々より十字架のイエスに心の目を向けるとき、自分が神を愛したのではなく、神が自分を愛してくれた真実を見せられる。こんな愛のない俺を捨てずに包んでくれる、イエスの恵み深さに心が熱くなる。
この恵みのスピリットの種を蒔く者になってゆきたいと、心から俺は願う。

主イエスの恵みがすべての者とともにあるように。
あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。

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