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1998/10

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日本と韓国

平和をつくる者は幸いです。その人は神の子どもと呼ばれるからです。

マタイ5:9

最も近い国でありながら最も遠い関係、本来は兄弟のような仲であるはずのこの二つの国は、冷めた心と怒る心が入り交じって深い溝を互いの間に作ってしまったようである。過去の歴史の理解の曖昧さが、冷たい兄弟関係を生み出している。聖書にある人類最初の兄弟、兄のカインは弟のアベルを妬みと憎しみによって殺し、地面に埋めて何事もなかったかのようにふるまっていた。しかし、「覆い隠されているもので明らかにされないものはない」といわれるように、アベルから流れ出た血は地面に深く浸み込んで、叫び声となって神に届いたとある。たとえ黙っていても、人間は神をだますことはできない。人は自分の蒔いた種を刈り取るものである。悪の種を蒔けば、悪の実を刈り取るものである。
今、日本という国に対して多くの日本人が愛国心に欠け、国に対しての誇りが見失われている。それは、潔さに欠け曖昧さに生きる国のしわ寄せが、この世代の国に対するアイデンティティーのなさにつながっているように思える。国にお世話になりながら、良いことだけは受け止め、悪いことは受け止めないと言うわけにはいかない。アダムとエバ以来、罪を人になすりつける習慣は今も変わらない。ネヘミヤが国の再建のために、国の罪を自分の罪であるというアイデンティティーをもって神に悔い改めたように、我々の国が魅力的な祝福を与える国になるためには、国民一人ひとりがもう一度歴史を正しく見つめ、同じ神に造られ生かされ愛されている隣人を、心から愛してきたのかを吟味する必要がある。「憎しみは争いを引き起こし、愛はそむきの罪を覆う」とあるが、イエス・キリストの十字架をとうして、罪人である我々のために和解の道を神が備えてくださったように、和解された者は十字架のもとで謝る大切さと赦す大切さを心にとめたいものである。
 2000年にむかって日韓が共にワールドカップの開催地となったのも、新しい時代に向けての不思議な摂理を感じる。神と世界の人々がこの日韓の関係に注目しているのだ。
 

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