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1998/07

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憎しみと愛

憎しみは争いを引き起こし、愛はそむきの罪をおおう

箴言10:12

何年も前になるが、十字架をかついでで日本列島を端から端まで、多くの人たちとともに150日間かけて歩いたことがある。日本のために祈り、集会を行い、「あなたのために十字架がある」ということをアピールしながら歩いたのだ。その行進の最中、祈っている俺の心に、「アベルの血が叫んでいる」ということばが響いてきた。創世記にあることばだ。アダムとエバによって生まれてきた人類最初の兄弟、その弟アベルが、兄カインの妬みと憎しみによって殺された。地面の中に埋められたアベルの血が、人にはわからないが、すべてを知っている神には叫びとなって聞こえているというのである。なぜこのことばがひびいているのだあろうか、と思いめぐらしていると、「心を尽くし、思いを尽くし、知性を尽くし、力を尽くして神である主愛せよ…そしてあなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という聖書のことばが不思議と心の中に沸き上がってきたのである。神に愛され、また愛しているという縦の関係を持っている人は、隣人である他を神に愛されている愛によって愛してゆくということである。人間は自分を量られている量りでしか人を量ることができないものである。本当の愛を見失っている国が、隣の朝鮮半島の国に歴史の中で大きな傷を負わせてしまった。今の日本があるのも、文化の流れの影響を朝鮮半島から受けているからだ。しかし、その恩を仇で返してしまったのである。韓国では、この歴史の出来事を忘れることなく今の若者に伝え続けている。それとは裏腹に日本では過去のことは水に流そうという姿勢で、そのことを今の世代には伝えず地面の中に深く葬っているのである。このギャップが、一番近い国を遠い関係にしてしまっている。二千年に向かって多くの壁は崩れてきている。ベルリンの壁、旧ソビエトの共産国の壁、これからは日本と朝鮮半島の見えない壁も、また韓国、北朝鮮の壁が崩れる時である。ジェリコの壁を崩した主は、十字架の愛をによって、その壁を悔い改めと赦しを通して、必ず崩して行く。日本の「終戦記念日」、韓国の「独立記念日」を含めた7/15−8/25、釜山から板門店まで韓国人と日本人が、自らの国を代表して十字架の愛によって共に行進することになった。毎日教会で集会をもち、40日間共に祈り、互いに愛し合って主のために和解のメッセージを伝えて行くのである。今、韓国では政治家のクリスチャンがこの計画を通して動き始め、板門店で終わるのではなく、北朝鮮の平壌(ルビで:ピョンヤン)(150キロ北)にまで行進を延長するために動いている。日本と韓国の和解のスピリットが、韓国と北朝鮮の統一に書かせない大切なことに思えてえてならない。

ソウルから成田へ向かう飛行機の中で。

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