Fellowship    72 200411

 

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これなくしては伝道者であり得ないと思うこと     渡辺暢雄 

 

「私は、『だれを遣わそう。だれがわれわれのために行くだろう。』と言って 

おられる主の声を聞いたので、言った。『ここに私がおります。私を遣わして

ください。』」 (イザヤ6:8)

 

時は人を待たずと言いますが、神学校を卒業し、牧師、伝道者として召されて、早くも45年近くになります。年を重ね、老伝道者と自他共に認める今日この頃、多くの方々のお祈りと支援なくして、ここまで来ることは出来なかったと感謝の思いがにじみ出てまいります。先輩のT先生ご夫妻に、いつか出会い頭に「お元気ですか」と伺いましたら、言下に「今日は元気です!」とにこやかに答えられました。まったく同感です。明日のことは凡て主に委ね、力まず、与えられた今日一日を、精一杯、主にお仕えしながら生かしていただく、これ程、のびやかで愉快な人生はないのではないでしょうか。

伝道者として、これだけは、しっかりと心に留めておきたい、と私なりに自分に言い聞かせていることは次の通りです。

 

1.          主からの召命を、日々新たに確認すること。 … イザヤ6:8に示されている主の呼びかけと若き預言者の応答は、時代を超えて、今日の私たちの現実です。

2.          神の言(福音)に立つ。 … 「私は福音を恥としない!」(ローマ1:16)どんなに知恵と雄弁を駆使しても、この一点がぼけると神は私たちを用いられません。

3.          生活の祈祷化。 …  吸う息に祈り、吐く息に祈れたら、といつも思います。教会のリバイバルは、説教なくして起こったことはあるが、祈りなくして起こったことはない、と自分に言い聞かせています。

4.          主の謙遜に学ぶこと。 …  私自身の反省として、いつも自分を立てようとして失敗を繰り返しているように思います。弟子たちの汚れた足を洗われた主イエスの御謙遜の百万分の一でも身につけられたらと思います。

5.  「常に霊に燃えて主に仕えること。 … 本田弘慈先生の座右の銘だった、ローマ12:11の伝道者パウロの叫びは、伝道者を伝道者たらしめる引き金のような言葉です。いつか若い牧師たちの集会で、内村鑑三の『伝道は快楽なり』との言葉をよかれと思い引用し、失笑を浴びたことがありました。お互い霊に燃えていれば、「アーメン」の唱和で終わったものをと惜しまれます。   

                               (日本伝道協力会主幹  日本伝道者協力会顧問)

 

日本伝道者協力会リトリート報告             姫井雅夫

 

例年のように湯河原で会合が開かれた。残念ながら出席者が少なく(講師を含めて12名)講師に申し訳なく思った。しかし内容は時宜にかなったもので大切な内容を学ぶことが出来た。

 使い慣れた会場で、思い思いに温泉に入り、まさにリトリートのゆっくりした時を過ごすことが出来た。

<セミナー>

今回は、岸義紘師と市村和夫氏を講師に迎え、「キリスト者はみんな伝道者」というテーマで研修の時をもった。

岸師は「キリスト者はみんな伝道者」というよりは「あかし人」というべきだろうと話を始められた。講演をまとめてみよう。伝道者となると特殊な賜物を持つ必要であろうが、あかし人であれば、だれでも出来ることだし、そうあらねばならない。伝道するには一般的に言って4つの段階を踏む。よい地に蒔かれた種は多くの実を結ぶ。そこでまず、耕す伝道。人々が福音を受け入れる土壌を整える必要がある。整えられた心に、次は種を蒔く伝道。その次は、蒔かれた種が育つように愛の配慮と忍耐をもって求道者を育てる伝道。そしていよいよ刈り入れる伝道となる。イエスを救い主として受け入れる決心をする段階である。それぞれの段階にあかし人が必要である。ところがクリスチャンになって年月がたつにつれ、ノンクリスチャンとの接点が少なくなってくる。そこですべてのクリスチャンがあかし人として、どこででも、だれにでも、いつでも、その人なりのあかしができるようになっておくことが肝心である。

 市村氏はおなじテーマから、VIPの伝道の実際を話された。あかしをしていくために協力者をもつこと、小さなグループで始め、ライフスタイル伝道を心がける。自由な雰囲気の、信徒を中心とした伝道である。組織ではなく、いのちである。日本と世界へのビジョンをもって取り組む。聖霊の働きで今日のような広がりを見ることが出来た。

<総会>

 役員改選のない総会なので、事業報告、会計報告、活動案、予算案の審議で終了した。年間の総収入は657.095円、総支出は670.067円。今年度は赤字で締めくくった。会員の会費納入が支えなので、ご協力いただきたい。   

(総動員伝道委員長 赤坂教会牧師) 

 

 

「リトリートに参加して」 −個人的に教えられたこと  白石多美出

 

8月30日から9月1日にかけて、湯河原厚生年金会館を会場に「キリスト者はみんな伝道者」というテーマでリトリートが開かれた。

 キリスト者はみんな伝道者であるという主題から、地の果てに至るまでわたしの証人となる(使徒18)という主イエスのお言葉が響いてくる。会場に着くと、何と講師を含めて12人の参加である。

講師と膝を交えて「私塾」という雰囲気で始まった。

 開会礼拝は、渡辺師によってローマ12917から説かれた。  @聖霊に満たされること、A熱心であれ(愛を基調として)、B主に仕えること。宣教の中枢は、真の神に仕え、聖霊の満たしをいただき、それに応答していくことだと力強くお勧めをいただいた。

 岸 義紘師のセッションにおいて、「信仰生活が長くなればなるほどこの世から遊離してしまう」という現状についてお話がなされた。

確かに信仰生活を続けることが出来るのは恵みであるが、しかし、この世において、ノンクリスチャンと益々接点を失ってしまうということに深く考えさせられた。本来、主イエス・キリストの救済の恵みは、全ての造られたものに向けられているにも関わらず、受洗を境に先細りとなってしまう現実に、安閑としていられないという思いになった。この世に遣わされているということを再確認させていただきました。

 市村和夫氏は、インターナショナルVIPクラブの創設者である。伝道(宣教)における6つの重要な要素と題してお話がなされた。市村氏のレジュメから、

1、インサイダー(協力者)を見つける。

2、伝道する(失われた人の中に住む)

1)             自らが伝道をする(ペースセッター)

2)             他の人が伝道できるように助ける

3)             伝道のプロセス

4)             イベント伝道から、ライフスタイル伝道へ

5)             収穫のとき(状況を見ないで、神を見る)

3、育成する(フォローアップ)

4、交わりを持つ(共同体)

5、指導者養成(賜物を活かす、リーダーシップ)

6、新しい世代へ(全世界へ)

●VIPクラブの「特徴」について

1) 自由な雰囲気  2)信徒中心の活動 3)宣教の対象の明確化

4) 奉仕の場の提供と個々の賜物を用いる  5) 管理とアドミニストレーションを最小限にする

6)      人々のニーズを満たす 7)マルチメディア宣教の充実(IT時代に適応する宣教)

8)       家庭を大切にする  9)ネットワーク型宣教スタイル

●VIPクラブ「祝福の秘訣」

1)    みことばの約束に基づいている 2)世界宣教のビジョン  3) 祈りの力

4)  一人一人を大切に、一人の可能性は大きい 5)新しいことにチャレンジする

6)福音を伝え、働き人を送り出す宣教  7)聖霊の実を結ぶ

8)組織ではなく、命である 9)他の働きに仕える 10)サタンの攻撃に勝利する

●「日本と世界宣教の鍵」

1)             ビジョンを持つ(日本と世界宣教のビジョン)

ビジョンが与えられる

すでに日本が救われたことを信じる

信仰によって、一歩踏み出す

2)             聖霊を受ける

3)             新しい皮袋の教会が日本宣教の鍵である

市村氏のVIPクラブ創設にかける情熱と、スピリット、宣教に対する新たな視点と柔軟な発想を教えられました。しかし、宣教の基本は変わらないものであるとの確信をいただきました。

 閉会礼拝においては、福沢師から、信仰によって賞を得られるように、霊の世界のルールからはずれることがないようにとのお勧めをいただいて会を閉じました。

                           (日本キリスト教団 春日部教会牧師)   

伝道者往来  伝道者として戦っておられる先生方のことを知り祈りましょう                     

                        岸 義紘師

理数系の父と祖父を考えると、僕が理数に行きづまって高校を一学期で退学したことは、不思議なことである。召命を与えられる主の摂理が先行していた出来事としか考えられません。ハレルヤ!

 神学生の時、寮の自室の壁に、僕は大きな日本地図を貼り出しました。先輩たちは、それが世界地図でないことを笑い、言いました。「ビジョンが小さいよ。岸君。」僕はその日本地図に線を引いて、7つの地区に分けました。北海道と東北/関東/東海と北陸/関西/四国/中国/九州と沖縄。そして、毎日一つの地区について祈りました。「いつの日にか、伝道者として、訪れることができますように。1年365日、毎日一回は伝道説教ができますように。」

 僕は自分が、牧師よりも伝道者に向いている、と思っていましたから、神学校を卒業したら、ビリー・グラハムや本田弘慈先生のように、クルセード伝道者として立ち上がりたい、と祈りました。ところが、母教会の牧師が僕にこう言いました。

「日本の特殊な状況では、ビリー・グラハムのような伝道者は歓迎されない。本田先生が用いられるのは、先生が立派な教会を建てあげた牧会者だったからだ。君のようなヤンキータイプは、まず牧師になって苦労して、日本人らしくなり、それからのことだ。」

 そこで僕は教会開拓と形成に取り組むことになりました。7年間、赤恥と、冷や汗と、失敗を繰り返しました。学習したことは、倍の14年分くらいあったと思います。

 留学の後、牧師か伝道者かで大いに悩みましたが、総動員伝道の強い誘いをいただき、伝道者の道を決断しました。ニュースレターを出さない、経済的自立の伝道者をめざし、29年間戦ってきました。サックスの助けで毎日のスケジュールも可能になりました。 

                            (ミッション2001 伝道者)

 

後記     今年ももうすぐクリスマス、月日が早く飛び去るのを覚えます。今年は猛暑、台風、そして地震と大変な年でしたが

皆様お元気でしょうか。 「時がよくても悪くても」伝道者のスピリットを失わずみことばを宣べ伝えたいものです。好評連載中の

「伝道者へのステップ」は都合により今回掲載できませんでした。次回にご期待下さい。    ではよきクリスマス・新年を!!

 

 

 

 

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