Fellowship    69

発行 日本伝道者協力会(EFJ 101-0062千代田区神田駿河台2−1      200311

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 自立の機会が来ている       日本伝道者協力会 副会長  高橋敏夫

 

 1.2001.9.11の危機のその後

   その危機の日、私は機上の人であった。機上員たちはすでに様子を悟っていて神経をピリピリさせていた。

   アッシジに到着した私は、フランシスの平和の祈りを祈ったことである。

   世界は大きく変わった。

 2.イラク戦争

   米国の先制攻撃によって、世界の意見は大きく分かれた。その中で日本の政府は、米国を支持する態度を示し続けた。米国の教会はブッシュ大統領を全面的に支持し、日本の教会は、一部の例外を除いては反対の立場を表明した。米国の教会と日本の教会の意見の違いの温度差をこれほど明確にしたことはなかった。

   もっとも、世論とか政治的見解は、いつも変化するものであって、注意しなければならない。

 3.自立の機会

   日本の教会は、まるで米国のコピーのような教会であると、私は思って来た。

   また日本の教会は、どこどこの国にこんな成功例がある、と聞くと、こぞってそれを取り入れ、まるでものまね教会のようであると私には思える。まったく日本の文化、風土、日本人の意識から遊離した教会となってしまっている。

   イエスはユダヤ人として御国の福音を伝えられた。

  日本人である私の心に入り、日本人として、イエスは私の中に生きておられる。イエスによって、イエスの福音は一つであるが、その福音の表現の輝きは、私の思いをはるかに超えて、バラエティに富んだものである。この狭い日本列島に、それぞれの国々の特徴に色付けられた福音のすべてと言っていい程流れついた。すなわちこの狭い日本に存在するようになった。

   私は今こそ日本の教会の自主性が求められている、と考えている。そして、その機会は到来したと思う。

   神に与えられた日本人の歴史的な賜物は「調和」であると思う。

   発祥国は異なっていても、それぞれの音色に特色があっても、イエスという名指揮者によって、日本の教会独特のハーモニーが生まれる、と考えている。

   そういう意識のもとで、イエス様の御足の後に従い、日本の町々村々を巡り歩いて、御国の福音を宣べ伝えてゆきたい。勿論足もとを大切にしながら。   マタイの福音書8章35〜38節            (春日部福音自由教会牧師)

 

2003年リトリート報告 (8・25〜27)         姫井雅夫

 1983年、ビリー・グラハム師が世界中から伝道者を集めて「世界伝道者会議」をオランダのアムステルダムで開催した。これを機に伝道者の交流と研鑚などのために「日本伝道者協力会」が誕生した。今回は20回目のリトリートと総会になる。

 今回は「あなたも出来る伝道説教」というテーマにした。最近の教会では伝道説教と言うより礼拝説教、しかも講解的な説教が多くなり、伝道説教、題目説教が難しくなっていると耳にした。そこで伝道説教を専門とする巡回伝道者によってこのテーマで研修をすることにした。

今年から巡回伝道に携わる事になった岡田信常師に伝道説教の模範を示していただき、2日目は有賀喜一師に「招き」について講演していただいた。多くの時間をこれらのテーマに沿った懇談のとき、実習の時とした。実際に参加者のなかから4人の方々に招きの実演をしていただいた。具体的で有意義な研修の時を持つ事が出来た。

  地方で「伝道説教の困難さ」を感じている牧師たちに参加していただきたかった。祈りの土台の上に、説教構成、釈義、提示の仕方、締めくくり、招き、アンケート用紙の活用法まで事細かに指導していただいた。このような機会をもっと多くの教職者たちに利用していただければ幸いである。

さらに伝道会の司会、音楽、プログラム、カウンセラーの養成、フォローアップまで学びたい項目は多々あるように思う。これらは今後の課題としたい。都会、地方、集会の規模などによって伝道会の持ち方は違ってくる。熟練したみことばの奉仕者とならせていた  岡田師の伝道説教実演(クリスチャン新聞提供)   だこう。

総会においては本田弘慈会長の後を受けて福沢満雄師が暫定的に会長となって                       くださっていたが、これからの3年間継続して指導してくださる事になった。    (赤坂教会牧師  総動員伝道委員長)

再創造されて用いられたい EFJリトリートに参加して)         鴨下 わたる

 

最近私がよく使うようになった言葉に、リサイクル・ランチとかリクリエイション・ディナーとかがある。何のことはない。教会の愛餐会で残った食材が「牧師館にどうぞ」というわけで、余った食材をもって聖日の夕食が愛妻の手によって再創造されるからである。リクリエイション・サパーと謙そんすることはない。この頃は結構良い材料が残されていて、妙味だから感謝この上なし。

 このような話から書き始めたのは、私は来春68歳となって教会の牧師を隠退することになっているからである。だが、宣教活動をやめて御隠居さんになるには、体と心と霊が納得しない。

 リサイクル牧師ではなく、リクリエイション・エヴァンジェリストとして再献身したく思い、今回のEFJリトリートに参加させていただいた。

 按手祈祷を他の二人の同労者とともに受けられたことは、主の大きな恵みであった。

 主より新しい油注ぎとチャレンジを受けた青年のような純粋な情熱が与えられている。

 礼拝出席者が200人、250人という教会でも御奉仕させて頂いて来たが、それでも一歩教会の外に出れば、ほとんどはノンクリスチャンの世界である。かつての偉大な伝道者や福音歌手、ムーディやサンキー、ブース大将やビリー・サンデーなどの声を聴かせて頂き、伝道者魂に迫るものを感じたが、日本の異教社会への福音宣教には、ユダヤ人にはユダヤ人に、弱者には弱い者のようになったパウロに習い、御霊による以心伝心の福音を届けなければならぬと思わされた。

 お茶の心と福音との関わりを説く高橋師と同室となり、仏教の教えから聖書の真理を説く渡辺暢雄師、詩吟によって心を開き容易な言葉で福音を説く福沢師、大衆伝道を神学的に実際的に提示した有賀師から、多くの学びが与えられ、大変有益な時であった。

 主イエスはマタイ10章にて、胴巻きにお金がなく、二枚の下着もくつも杖も持たせずに弟子たちを遣わされた。それは働き人の将来が欠乏したり、のたれ死にしないことへの保証である。故に今、若者のように幻が与えられている。

       (同盟福音木曽川キリスト教会牧師 東海福音放送協力会運営委員長)

 

福沢師の伝道会司会の実演(クリスチャン新聞提供)

 

 

伝道者へのステップ (4)           日本伝道者協力会会長  福沢満雄

 

● 賜物の確認  

「それですから、私はあなたに注意したいのです。私の按手をもってあなたのうちに与えられた神の賜物を、再び燃え立たせてください。」 (Uテモテ1:6)

神様は一人一人に必要な賜物を下さいます。伝道者として召された器にもそれぞれ違った賜物が与えられています。

 自分には、主によってどのような賜物が与えられているのかを知ることが大切です。妻や家族の者、教会員、先輩の牧師達に聞くことも大切です。自分には伝道者としての説教の賜物がある、と思っていても、回りの人々はそう感じていない事もあります。特に近くにいる、私生活も見ていてくれる奥様やお子様方の意見はとても大切です。

 神様が与えて下さった賜物によって、それぞれの伝道者としての道が必ず開かれていくはずです。

●賜物と訓練  

“玉 磨かざれば光を成さず、人 学ばざれば道を知らず”

 どのような賜物も磨かなければ,唯の石です。音楽の賜物ですとそのことが良くわかるのですが、説教の賜物となるとその辺が見えなくなる危険性があります。賜物におぼれてしまって(高慢のしるしですが)いつの間にか輝き(主の栄光)を失ってしまいます。「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。」(Uテモテ4:2)

 伝道者の召命は“みことば”を伝えることです。どんなに上手に話して、聞く人々を楽しませても、みことばの宣教、説き明かしが無くては失格でしょう。

 朝に夕に祈り、聖書に心を傾け、自らに与えられた賜物をこの上に置いて磨き上げていく訓練が求められます。

 “再び燃え立たせよ”とは、初心に帰ることです。            (ジャパン・カルバリー・クルセード 伝道者)

 

 

 

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