「今日も神様の恵みによって礼拝を捧げる事が できることを感謝します。まず聖歌を賛美しましょう。」 大阪、千日前線桜川駅近くのベテスダ教会で、 長老職についている吉田芳幸(53歳)は、 笑顔で日曜礼拝の司会をしていた。 彼は、今から約20年前、大阪中を震撼させた、 ヤクザ同士の抗争事件の当事者だった。 約3年間にわたる戦いで、20数人の犠牲者をだし、 映画「仁義なき戦い」のモデルにもなった。 いわゆる「大阪戦争」で、吉田は大日本正義団の 組長として中心的な存在だった男なのである。 幼い頃からケンカに明け暮れ、高校1年のときに 乱闘事件を起こして退学。その後、「憧れのヤクザの道」 に入った。17歳のときである。 |